債務整理

自己破産で差し押さえは解除できる?

借金を滞納し続けていると訴訟を提起され、最終的には給料の差し押さえを受けてしまうことがあります。
差し押さえを受けると受け取れる給料が減ってしまうので、一層生活は苦しくなるでしょう。

特に、今現在、給与差し押さえを受けている最中の方は、生活が苦しくどうしたら良いか困っているのではないでしょうか。

ただでさえ支払いに窮しているところに加えて給与減、さらに債権者や裁判所から職場に通知がきたことで、気まずい思いをしていることと思います。

一刻も早く差し押さえを解除したいところですが、借金を返す当てもない場合はそれもできず頭を抱えている方も多いでしょう。

しかし、自己破産をすれば、給料の差し押えを解除できます。

今回は、自己破産と給与差し押さえの関係について解説します。

1.給与差し押さえの影響

現在、給与差し押さえを受けている方は、既に生活の中でさまざまな悪影響が生じていることでしょう。

また、これから差し押さえを受ける恐れのある方も、収入減と職場への通知で戦々恐々としていると思います。

最初に、給与差し押さえが続くとどのような影響があるのか確認していきます。

(1) 受け取れる給与が減り生活へ直接の影響が及ぶ

給与の差し押ささえをされると、給料から税金や社会保険料を引いた手取り額の4分の1が没収対象となります。
つまり、受け取れるのは手取り額の4分の3で、また、33万円を超える部分は全額が差し押さえの対象となるのです。

こうなると、当然生活に充てられるお金は少なくなりますし、多重債務を抱えている場合は一層支払いが厳しくなるでしょう。

借金を抱えていたことを家族に黙っていた人も、給与減が続けば家族にもバレてしまうので、家庭生活にも大きな影響を与えることになります。

(2) 借金の完済まで差し押さえは続く

一度差し押さえを受けると、基本的に借金を完済するまで差し押さえは続きます。つまり借金返済が終わるまで給料はずっと減少したままなのです。

給与の4分の1ものお金を完済まで差し押さえられるのは苦しいものがあります。数か月で完済できるのであれば凌ぐ手もありますが、借金額によってはこの先ずっと差し押さえが続くことになるでしょう。

半永久的に差し押さえが続く状況になるのであれば、根本的なところから問題解決をすべきです。

(3) 会社での評判が悪くなる可能性

差し押さえをされると、少なくとも経理の給与担当者には差し押さえをされていることが分かってしまいます。

差し押さえをされることで法律上会社をクビになることはありませんが、金銭トラブルを抱えていることは分かってしまうので、職場での信用問題に発展します。

人の口に戸は立てられませんので、社内に噂が広まって自身の評判が悪くなる可能性はあるでしょう。

自己破産で解雇にはならなくても、差し押さえを知られてしまうことで職場に居づらくなり離職せざるを得ない状況に追い込まれる恐れはあります。実際に自己退職をする人もいるようです。

2.給与差し押さえを解除する方法(自己破産)

借金を一括弁済すれば差し押さえは解除されます。また、場合によっては分割払いでも解除に応じてもらえる可能性はあります。

しかし、借金を一括でも分割でも返済できるのであれば、そもそも差し押さえを受ける状況にはなっていないので、借金返済で差し押さえ解除を目指すのは全く現実的ではありません。返す当てがなければ差し押さえを受け続けることになるでしょう。

このような場合、自己破産を行い、給与差押えの解除をしていくという手立てが考えられます。

さて、自己破産には、「同時廃止」と「少額管財」の二種類があります。それぞれの手続によって給与差押え解除のタイミングが異なるので、どの時点で給与差押えが解除されるのか、具体的に見ていきましょう。

(1) 同時廃止の場合

同時廃止は、高価な財産が手元にない場合や、免責不許可事由がない場合に適用される手続です。

同時廃止については、自己破産開始決定により給与差し押さえは中止になります。しかし、その時点ではあくまでも中止されるだけで、給与を満額受け取れるタイミングは免責(借金が0になること)確定時です。

自己破産手続開始決定から免責確定までの期間は2~3ヶ月ほどです。差し押さえ中止から免責確定までの間、差し押さえ分が債権者に支払われることはありませんが、債務者が受け取ることもできません。

この間会社は差し押さえ分をプールしておくか供託をしておくので、給与からはその分が天引きされることになり、差押え中止後から天引きされた給与については、免責確定の後にまとめて受け取ることになります。

したがって、同時廃止の場合は、免責許可を得た段階で給与差押えが解除されるという結論になります。

(2) 管財事件の場合

管財事件は自己破産時にある程度の財産がある場合、または免責不許可事由がある場合に適用されます。
目安としては、99万円以上の現金や20万円以上の財産をお持ちの場合には管財事件が選択されるでしょう。

管財事件になると破産管財人が選任されます。破産管財人は債務者の財産を調査して換価したのち、債権者に平等に配当する役割があります。

管財事件では自己破産手続開始決定と同時に、差し押さえが失効します。同時廃止のように中止ではなく失効ですので、差し押さえの効果はなくなります。

したがって管財事件では破産手続き開始決定後すぐに給与を満額受け取ることができます。つまり債務者は差し押さえ解除に関して何かをする必要はなく、必要な手続きは全て破産管財人が行うので任せておけば大丈夫なのです。

3.給与の差し押さえを受けているなら弁護士へ相談を

今現在、給与の差し押さえを受けている方、借金滞納をしていている方、裁判所から訴状が届いている方は、一刻も早く弁護士に相談をしてください。

給与の差し押さえは借金完済まで続きます。生活が苦しくなるうえに職場での評判が悪くなるので、仕事にも支障をきたすでしょう。

泉総合法律事務所新横浜支店では自己破産解決の経験が豊富で、給与差し押さえ解除に関するご相談も受けております。

差し押さえになりそうな段階でご相談頂ければ、回避に向けて最善の方法をご提案させて頂くこともできます。

自己破産に関する相談は無料です。また、弁護士費用についても分割払いに対応していますので、お困りのことがあればお早めにご相談ください。

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